ベンリィCD50 10インチ太足化計画 その4「完成、したのかな?」編

ついに完成!?

ご無沙汰しております。ついにベンリィCD50の10インチ化カスタム、走れるまでになりました!

2018年にカスタム開始して記事をアップしたものの諸事情によりそのまま放置していましたが、ついに今回、5年近くのブランクを経て暫定的ながら完成です!(笑)
宿泊施設のブログなのにいつもアクセス数トップはこの「CD50 10インチ化太足改造記事」でした。なのでここで一度記事を完結させます!(笑)

それでは前回からの課題と完成までの様子をレポートしていきます!

前回の記事はコチラ

ベンリィCD50 10インチ太足化計画 その3「フロントにも10インチは入るのか?」編
フロントも10インチホイールを付けてみた (2022/3/29追記:とりあえず完成しましたよ~) 前回リアに10イン...

リアブレーキ トルクロッドについて

前回からの課題だった、太足化にともない干渉して付けられなくなっていたブレーキトルクロッド、結局どうしたかというとこうしました。

赤い四角で囲んだ個所が加工した所です。

トルクロッドは前回記事の通りタイヤと干渉して内側には付けられなくなるんで、スイングアーム外側に取りつけました。
使用したトルクロッドは5年間放置してる間に純正を紛失したためw、転がっていたスズキランディ用(なんでそんな激レアなバイクの部品が転がってたのかw)を形が合うように曲げた物です。この部品は丈夫でサイズが合えば何を流用しても良いと思います。
付け方はスイングアームの元々トルクロッドが付いていた場所の表側からドリルで穴を開け、M8のタップを切りネジとスペーサーでフローティング固定とします。

すると今度はブレーキペダルから繋がるロッドが干渉するので、ハブのブレーキアームを上に向けつけ直し(純正は下向き)、ブレーキロッドを曲げて、タイヤをかわしつつスイングアーム上に来るよう形を整えました。
ロッドは手で曲がる程度の強度なのでブレーキ踏んでるうちに伸びてきそうですが、200キロほど走行した現時点では大丈夫そうです(笑)

ちなみにこれはあくまで暫定的なものです。
なんせブレーキ回りなので、もっとカッチリ作りたい所です。危ないですし。
20年は放置したので、ご覧の通りヒドイ錆です。いずれ綺麗に塗装し直したいし、そうすればまたバラすので、この辺はその時また考えましょう。

ブレーキは危ないので、マネされる方はくれぐれも確実に。車両の改造は自己責任ですよ!

リアアクスルカラーについて

そして前回からの課題その2、リアアクスルのカラーです。

カブ・CDベンリィのスイングアームは左側のアクスル穴がM14なので、M12のシャフトを固定するにはスペーサーが必要です。

赤い矢印の部分、アクスル穴の奥に見える銀色の輪っかはホイールのセンターを出すためのアルミのカラーです。その手前、シャフトに付いている黒いカラーが見えますでしょうか?

これはこちらを使用しました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

キタコ kitaco 0900-093-90003 コンビネーションカラー 12X15X20/1PC
価格:220円(税込、送料別) (2022/3/29時点)

楽天で購入

これをスイングアームアクスル取り付け部の厚みと同じ長さにサンダーで切ってはめ込みました。サビ止めにシャーシブラックで塗ったので、上の画像では黒くなっています。

外径15mmでしたがスイングアームの穴にぴったりでした。

奥に見えるホイールセンターを出すためのカラーは…何ミリだったかな?忘れてしまいました(笑)
そちらはバイクのパーツメーカー各社からも出てますし、バイク用でなくともアルミやスチールの内径M12サイズのカラーは沢山あるので、実車の寸法を測定してチェーンラインが出るように最適な太さ、厚みのカラーを購入すれば良いかと思います。
ちなみにチェーンラインは結構ギリギリになりますのでお気を付けください。

今はダックス用に7mmとか15mmのオフセットスプロケットもありますが、試してはいませんがCD50のスイングアームだと付け根が干渉すると思います。それさえクリアできればオフセットスプロケがいいのに。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ポッシュ(POSH) アルミユニバーサルカラー(内径12mmX外径25.6mmX厚さ10mm) 2個入り 101012
価格:1557円(税込、送料別) (2022/3/29時点)

楽天で購入

フロントフォーク

フロントフォークについては、以前の記事ではディスクブレーキ仕様のダックス用中華フォークに換装していましたが、ハンドルロックとストッパーをどうするかが課題でした。

どちらも溶接しないと付かないんですが、溶接は流石にハードルが高いです。結局どうしたかと言うと、AB26ダックス、いわゆる「復刻ダックス」とか「再販ダックス」と言われている1995年発売の12Vダックスのフロント回り一式と入れ替えました。

中古なので汚いフォークですが、しょうがないですね(笑)
赤丸で囲った部分がハンドルの切れ角を制限するストッパーです。これがAB26ダックスはCD50とほぼ同じ位置にあります。ただし若干干渉したので、少し削る必要はあります。
(ステム側かフレーム側溶接跡を少し削らないとハンドルが全開まで切れず、とんでもなく小回りの利かないバイクになりますw)

画像にはありませんが、ハンドルロックは同じ位置にありますので、鍵を回す部分の付け替えでそのまま使用できます。

ステムシャフトもほぼ同じ長さですが、AB26ダックス用の方がCD50より数ミリ長かったので、ステムナットにワッシャーを入れて調整します(こちらも画像無しですいません)。
中華フォークだとステムシャフトはピッタリの長さだったんですけどね。ちなみにフォーク間も中華フォークとAB26ダックスフォークは2ミリ程度違いました。フォークの太さも中華は26φですが、AB26ダックスは25φです。アクスルシャフトも中華はM10ですがAB26はM12。

ほとんど同じに見える中華フォーク一式とAB26ダックスフォーク一式、全く互換性が無くて笑いました(笑)

とりあえず走行可能になりました!

というわけで、形が出来ました!早速自賠責保険に加入し試運転したところ問題なさそうです!

2~3mmくらいのすき間しか無いチェーンの干渉もとりあえず大丈夫でした!
リアブレーキもちゃんと動作し問題なし!
乗った感じの違和感もありません。見た目は激変してますが、CD50に乗ってるのと感覚は変わりません。

ガソリンタンクは中身が腐ってサビも凄かったので、安いエイプ用の新品中華タンクに交換、シートもTL用だかTY用だかを再現したのであろうモンキー用格安シート(後ろのステーを逆向きにして、前のステーを曲げて純正のツメに引っかかるようにしただけで付きました)を装着しました。

一瞬エイプに見えますが、よく見ると車種不明な謎のバイクが出来ました(笑)

これにてベンリィCD50・10インチ化計画は一旦終了といたします!

カスタム完成までの5年を振り返って

2018年にスタートしたCD50 10インチ化カスタム、4年の放置期間を経て5年目に完成となりましたが、この5年の間に状況は色々変わっておりました。

2018年は、FI化までされて生き延びていた、「ホンダのモンキー」と言ってみんなが想像する、あのチビッ子な車体のZ50~AB27までのモンキーが販売50年目を迎えたのに生産中止となり、大振りな車体に125ccエンジンの、車の免許ではもう乗れなくなってしまった「新生モンキー」が発売になった年。

当時はまだまだ山ほどあると思っていた旧モンキー・ゴリラを始めとした旧型カブ系エンジンバイク、いわゆる「4ミニ」は、その後数年で値段が急上昇しました。

タダ~ヒトケタ万円で買ってきて遊べたこれらバイクが今やキレイなら数十万円…。これはモンキー系だけに限らず、クルマもバイクも人気のある古いモデルの中古車相場は軒並みとんでもない値上がりをしていますが、4ミニも巻き込まれた格好なんでしょうね。

そして製廃パーツも出てきました。
このCD50、お仕事用バイクという事で「…N-1-2-3-4-N…」というロータリー式ミッションなのですが、ワタシのような普通のバイク乗りには乗りにくくて仕方ない。ずーっと…もうこれを買ったばかりの高校生の時から「1-N-2-3-4」のリターン式にしたいと思ってたんですね。

こちらも流石カブ系エンジンと言うか、リターン化するには「シフトドラム」という部品とその周辺部品をモンキーなどの同じカブ系エンジンで元々リターン式の物に交換すればさほど難しい事もなくロータリーからリターンに変更できたんです。なので昔からやろうやろうと思っていて、そして今回10インチ化カスタムが完成したので「次はいざリターン化!」と思ったら、なんとそのシフトドラムが製廃…。2018年には確かまだ注文できたハズ…。
中古部品を探すも、こんな普通は廃車まで交換される事のないような部品、中古なんか出るわけない。ヤフオクでは新品が2万円で転売されてる始末(確か最後に見た時のメーカー価格は5000円前後だったはず)。
(※最終的なメーカー価格3830円でした。ほんと使わなくても買っとくんだった…)

「ウソでしょこんな部品までもう製廃になるの…」という感じが凄いです。手軽に安く遊べた、それこそ高校生や若者のおもちゃだった「4ミニ」はどんどん過去の物となり、もう確実に「金持ちの道楽」にシフトチェンジしていっています。他の旧車がそうなってるのは知ってましたが、ホンダ4ミニまでそうなりつつあるとは…。

ちなみに過去記事に追記もしましたが、このCD50を10インチ化するにあたり使用したブリヂストンのレクタングルRE2というタイヤ、これも製廃になりました…。ご存知ホンダモトラ純正タイヤですね。バギーちっくでカッコいいんですよね。
せっかく昭和の頃から作り続けてくれたのに残念です。いやこんな令和の時代まで作り続けてくれててありがとう、かな。
同じようなサイズで人気だった、ダンロップK960というオフロードタイヤも調べたらもう販売していませんでした。
代わりに台湾製とか中国製のタイヤラインナップが凄い増えたのね。時代ですね。

そういや4ミニ好きのクルマ仲間から、もうホンダ4ミニエンジンを使うのは勿体ないから、中華エンジンに乗せ換えた方が良いとアドバイスももらいました。
勿体ない?ホンダのカブエンジンが勿体ない!?マジですか!!??あんな掃いて捨てるほど街に溢れてたホンダのカブエンジンが!?恐ろしい時代がやってきました。

ああ、貧乏バイク乗りのワタクシ、これからは何を楽しみに遊べば良いのでしょうか。新車は高いしもう改造とかやりにくい、遊べる中古車はもっと高い!これじゃ買えるバイクなんてありません…。
とりあえず今はこのCD50をはじめ過去の蓄えがあるのでまだまだ遊べそうですが、近い将来金がかかりすぎて手放すハメになりそうです。なんて時代でしょう…。

そんな状況を尻目に、中華エンジンと言われる中国製コピーエンジンはどんどん精度を上げ、最近の物は買ったらそのまま使用可能で耐久性もあるとか。しかも値段は10年前と一緒。

こんな趣味の領域でまで、悪いインフレ・スタグフレーション・日本の国力低下と、中国の巻き返しを思い知らされるとは夢にも思いませんでしたね。庶民は娯楽も満足に楽しめない時代が来てしまうんではないかと、ライダー向け宿泊施設でインバウンドも受けていた私なんか思ってしまいますよ。

悲しいあとがきですみません。とりあえずCD50は走れるようになりました、そうしたら日本が走れなくなりつつありました!という事でした。

では皆さまインフレにも世界情勢にも負けず、1日でも長くバイクライフを楽しみましょう!そしてコロナ明けたら、ウチの宿にバイクで来てください!(笑)このCD50とお待ちしております!