南房総は暖かくはないです(笑)。気温が低くないってだけです。

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南房総だって寒いですよ。

家中温めてると、地元民としては雪国のように感じます。

開業1年目の当宿、初めての冬を迎えております。
秋にお泊りいただいたお客様より「寒い」とのご意見をいただき、湯たんぽや追加用の毛布を備えたり、ファンヒーターの数を増やして家中暖めるようにしたりしています。

ウチはエアコンがありませんので、共用スペースや廊下を丸ごと暖めるのに学校で使うようなデカい対流型ストーブを設置しています。

これですね。コロナSL-6617。
木造17畳まで対応です。温める力はかなりの物ですが、その分もの凄い勢いで灯油を消費します(笑)。2日に1回給油、7リットル。今灯油が80円前後ですから、一晩で燃料費300円くらい。結構高いです(笑)。

正直冬は暖房費を頂きたいくらいなのですが、お客様は「南房総は温暖」というイメージをお持ちですから、暖房費を取るのも気が引けまして。こっちの宿泊施設は取らない所が大半ですし。まあその「南房総は温暖という刷り込み・呪縛」(笑)については後述します。

で、灯油食うだけあってこいつ1台で共用スペースと廊下を一気に20度以上に温めてくれます。温度調整が出来ないので、全開で使ったら25度くらいまで上がるかも。
氷点下にならない南房総で使うには役不足です。もう1ランク下のSL-5118って木造13畳のやつで良かった(笑)。燃費も良いだろうし。でも値段はどっちもたいして変わらないんですよね。

コロナ:石油ストーブ SL-5118(W)
価格:18370円(税込、送料無料) (2019/1/26時点)

私が小学生の頃、教室にあったのがこのタイプでした。給食のパンを焼いたり、水を垂らして蒸発するのが面白くてよく遊んでました。
今学校にクーラー付けるかどうか議論されてますが、南房総の学校はクーラーも無ければ冬だってコレ一つだったんですよねぇ。子供なので極端に寒かった思い出は無いのですが、大人の今だったら寒いでしょうね。誰より先生が寒かっただろうに。職員室はこれより更にデカい青い炎のヒーターでぬくぬくだったのも覚えています。
あの頃そういえばエアコンてそんなに使ってなかったですよね。1980年代の話です。

それは良いとして、普通南房総ではこれを民家の中で使う事なんて無いんです。前述の学校とか、公民館とか集会場にしかない。
と言うのも、南房総では家中を暖めるという概念が無い。部屋は使うときだけ暖めるのが普通なんです。各部屋にちっこいファンヒーターがある程度。今はエアコンも普及してますが。部屋から出る時は暖房OFF。廊下などは寒いまま。
なので雪国から房総へ来た方だと、「コッチの方が寒い」とおっしゃる方もおられます。

朝晩はさすがに室温も一桁となりますが、普通に断熱材の入っている家ならせいぜい8度前後。5度を下回るのは昔の家とか大寒波の日ですね。なので短時間なら我慢すれば良い程度の温度。

朝の当宿共用スペースの室温です。暖房点火後に撮影したのでちょっと上がって9度ですが、大体冬の朝はいつも6度~8度ですね。

この程度の温度なら、6畳間程度ならファンヒーターを付ければ10分もせず温まりますから、それが余計に暖房をあまり使わない生活に拍車をかけるのでしょう。

私はそんな生活を今までしてきたので、冬の暖房について真剣に考えた事などありませんでした。しかし宿運営をするにあたり、これじゃお客さん寒いよな、と。
どうせ床面積80平米の小さなゲストハウスなので、もう家中暖めちゃおうとなりまして、前述の石油ストーブを導入したわけです。

お客様の「こっちも寒いんですね。」になんとも言えない気持ちに(笑)

朝、お客様が共用スペースに出てこられた時、「寒いですねぇ」なんて会話を交わすのは挨拶みたいなものですが(笑)、そこでかなり高確率でお客様から言われる事があります。

「コッチはもっと暖かいと思ってました。普通に寒いんですね。」

当たり前です、ここは関東地方です。沖縄じゃありませんよ!と言いたい気持ちは押し殺し(笑)、「平均気温が高いってだけで、普通に冬は寒いですよ。」とお伝えします。

でも確かに雪は降らないし、ヤシの木とか普通に生えてるしソテツは自生してるし、南国といえば南国かもしれない。
そして2月になると、「一足早い春の到来」とか言って、さかんにテレビが「春の南房総」を特集し、菜の花やポピー、ストックが咲き乱れる景色をこれでもかと映し出します。
桜の開花時期も九州四国や伊豆半島南部とほぼ一緒。

でも館山市の年間平均気温は15.9℃。東京の年間平均気温は15.4℃。大して変わりません。
とは言え冬でも最高気温が10度を下回る日はそんなにないし、夏も35度なんて日もあまりない。平均したら東京と変わりませんが、上下の温度差はもっと狭い。

多分東京が5度なら、館山は8度、そんな程度の温度差です。5度が8度になったところで、「暖かい!」とはなりませんよね(笑)。
メディアが「南房総は温暖」というイメージを過剰に演出し過ぎ!

多分体感的な温度を東京の月を基準に例えると、

東京:1月2月3月4月・5月・6月7月8月9月・10月・11月・12月
館山:12月12月3月4月・5月・6月7月7月7月・10月・11月・11月

だと思います。

またこのところ週末ばっかり寒くて、お客様が来られるのはそんな週末が多いものだから、余計に寒く感じるのでしょう。人間の感じ方なんて相対的な物ですからね。

さあ本日は久々の満室。おそらく明日の「館山若潮マラソン」の参加者の方が大半だと思われます。そして寒波到来だそうで、今晩も冷え込みが予想されます。また週末だし!
でもマラソンだと寒い方が良いのかな?私マラソンしないので分かりませんが。去年のマラソンの日は珍しく雪降ってたんだよなぁ。

第44回館山若潮マラソン【公式】
2024年1月28日(日)に開催する第44回館山若潮マラソンの【公式】サイトです。当サイトでは大会要項、エントリー情報などご覧いただけます。

南房総の冬、雪国と比べたら春のようですが、東京が基準だと普通に冬です。寒さはまだまだ続きます。当宿の一旦営業終了まであと2週間。おそらく今晩が最後の満室だろうなぁ、と思います。

はたして今夜のお客様の反応はいかに!

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