文化への敬意は大事ですね。

原爆Tシャツ批判より共感出来た事

自称ヒップホップ()グループ「防弾少年団」

今韓国のアイドルグループ「防弾少年団」が広島の原爆投下時の写真が入ったTシャツを着用したり、ナチス風の衣装でコンサートをやった事が問題視され話題となっています。


こちらはクイズ番組などのテレビでもお馴染みのベテラン人気ラッパー「Kダブシャイン」さんのツイートです。

他にも同様な意見を多数リツイートされていて、その内容に非常に共感しました。

原爆Tシャツ着用とかナチス風衣装については、運営の方針や配慮の無さと、彼らメンバー自身の無知からくる若気の至りで片付けて良いと思います。

まあ歴史がどうとか何故反日かとかナチスって実はとか話しだすと長々終わらなくなるし、右も左も様々なご意見おありでしょうから、それについてご意見ある方はここじゃなくてご自分のツイッターとかブログでやっていただくとして、ここでお話したいのは、

そもそもお前らヒップホップじゃないだろう!

って事ですね。

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ホラ、ちゃんと

ヒップホップアイドルグループ

って公式サイトに書いてありますね。意味分かって使ってるのだろうか?

実は宿主も一時ハマってた韓国歌謡

私数年前にちょっとK-POPにハマった時期がありまして。
一時のマスコミのゴリ押し捏造ブームでハマったのではなくて、K-POPに限らず、ポンチャックとかトロットなんていう韓国の音楽文化にちょっと興味がありまして。
何か日本が忘れちゃった良い意味でのアジア的な俗っぽさがまだまだ残ってる感じがして面白くて。

マスコミのゴリ押し捏造が終わった今になって、ティーンを中心にK-POPとか韓国コスメなんかが盛り上がっているのは皮肉なもんですね(笑)。

そんなんで彼らの名前も以前から知ってはいました。ファンでは無いですけどね。私は女性グループしか興味ありませんからwww
彼らのグループ名の由来はそう言う事では無いようですが、私が最初に彼らの名前「防弾少年団」ってのを見た時、「さすが未だに内戦中の国のアイドルだなぁ。昭和10年代の日本にあってもおかしくないような名前だ。どんな右翼的なヤツラなんだろう?」って思ったんですよね。まあそういう意味じゃ今回の騒動は想定の範囲内ってヤツですかね?違うか。

向こうのアイドルって、本国で少し売れれば日本に来て一稼ぎってのが常套手段なんで、彼らもようやっと売れて日本に来たのかぁ、って感想がまずあったのと、その売り出しの最初でつまずくような事して何やってんのか、ってのがもう一つの感想。

まあぶっちゃけ男性グループとか興味ねぇからどうでも良いんですが(笑)、どうでも良くない事が一つありました。それが最初に書いた、「お前らヒップホップじゃなくね?」っていう。

やたらラップする韓国歌謡

あっちで流行している、所謂「K-POP」ってやつ、なんだかやたらラップするんですよね。
ネット上の分析では、現在のK-POPのベースとなっているのは90年代の「MAX」とかに代表されるJ-POPアイドルだそうで、確かに日本じゃ90年代で終わった流れをそのまま20年熟成させたらこうなった、って感じはします。今はアメリカのポップの影響も多大に入っている感じがしますね。
そうなると、当然2000年代から世界中で大ブームとなり市民権を得た感のある「ラップ」を取り入れだすのも時間の問題だったのでしょうね。

日本でもアイドルグループがラップしたり、ロックバンドまでラップしたりしてましたもんね。そういうヤツラは本質を理解してないから押しなべてダサかったけど。

ところがK-POPってその辺取り入れるの上手でカッコいいんですよね。韓国の女性アイドルって日本のアイドルのメインストリームである「ロリロリサブカル路線」と真逆の「カッコカワイイアマゾネス系」みたいな人達も多いんで、ラップがサマになるんです。


宿主が当時一番ラップがカッコいいと思った「4minute」向こうの発音だと「ポミニッ(포미닛)」。

と言ってもそういうグループが出る歌番組なんかの観客席じゃ、良いオッサンとかオバチャンがラップに手拍子してたりしてそこはちょっとズッコケるんですが(笑)。

「ラップ」と「ヒップホップ」は「生魚の切り身」と「和食」みたいなもん

まあそんなワケなんでラップが市民権を得たので、百歩譲ってラップするのは良いにしても、そこでやっちゃいけないのが、「ラップ」と「ヒップホップ」の混同ですよね。

誤解を恐れず言えば、ヒップホップは「カルチャー・文化」、ラップは「歌唱方法のジャンルの一つ」ですから。
痛車に乗ったオタクが「俺達暴走族なんでヨロシク」とか言ったら「お前何言ってんの?」ってなるでしょう?共通項なんて「改造車」って事だけで、背景も何も全部違う。ところがこのような事がこと「音楽」になるとまかり通ってる気がして。

主にヒップホップアーティストが歌う曲はラップが多いので、「ラップ」=「ヒップホップ」のイメージが多大に付いちゃってる人が多いのでしょうがないのかもしれませんが。

魚料理を作るのに生魚を切り身にしました。それを大根のツマに乗っけて、醤油をつけて食べるなら「和食」と呼んで良いと思います。でも魚の切り身を作るまでは同じでも、それを玉ねぎとかベビーリーフ沿えてドレッシングをかけたら「イタリアン」ですよね?
「刺身」と「カルパッチョ」は全然違いますから、カルパッチョを和食と言い張る人はいないはずです(本来カルパッチョは肉だとか言うツッコミはここでは置いておいてください)。

ところがこと音楽になると、生魚の切り身(ラップ)を切ってなんだかよく分かんない料理を作って「和食(ヒップホップ)」と言い張る人が多い気がします。

まあ料理だったらこんなカルパッチョ紛いのものを「和食」として提供したら、「え?あなた板前さんじゃなくてシェフだよね?」「醤油で食べないの?」「なんで和食って言うクセにパスタと同じテーブルに並んでるの?」なんて突っ込みが殺到しますよね。これは人々が「和食」についての知識を持っているからですね。

ところが音楽になると、「ラップしてればヒップホップ」みたいな間違いが普通にまかり通ってますから、一部の有識者以外ツッコミも出ない。でもこれって「魚を生食するのは日本人だけだから、生魚の切り身があったら和食なんだ!」くらい滅茶苦茶な話なんですけどね。でもラップとヒップホップの違いを説明できる人が少ない、大多数の人が知識が無い。
だからこの「防弾少年団」も平気で「ヒップホップ」を自称するんでしょうね。でもこれって、文化への冒涜ですよ?

まあ文化の知識が無いんだから歴史の知識だって当然無いんでしょうし、そんなんじゃ原爆やナチスが現在どういう位置付けなのかとか、それを自分たちの表現方法に使用する事による影響なんて事へも思いを巡らせられないんでしょうから、この一連の騒動はさもありなんなワケですが。

余談ですが、ヒップホップを名乗るなら謝罪とかしないで欲しいですね。事実とは異なっても自分達が「俺達は原爆のお陰で独立した」「ナチスはカッコいい」という信念があるんだったら、「何が悪い?俺達はこう思ってやってるだけだ。」って最後まで貫いてほしい物です。だってヒップホップってそれこそまたまた誤解を恐れず言えば「反体制」の文化ですよ?カウンターカルチャー的な物です。
ヒップホップを名乗るなら、そういう自身の信念、行動まで含めてやってもらいたい物です。

何年か前に日本でも「ヒップホップ」を匂わせてるくせに不倫で謝罪したグループがいましたけど、ああいうのマジカッコ悪い。あ、最近も解散したグループがいたな。ヒップホップとか自称するなら「うるせぇなオメーらに関係ねーだろうがよ!」って言えよと。練馬ザファッカーの「D.O」さんを見習えよと。

ちなみに私地下アイドルにも少し興味があって(笑)、今その地下アイドルでもラップをメインに売り出してる子達が何組かいるんですが、その中の最右翼である「ライムベリー」ってグループ、そのMCの「MC MIRI」さんが「私たちはまだ自分で曲も作れないし、ヒップホップとは名乗れない」って言ってて凄い好感持てたんですよね。彼女は滅茶苦茶ラップが上手くて、HIPHOP界隈との交流もあるのに。
でも文化の背景を少しでも理解していればそうなるのが普通なんですよね。

https://rhymeberry.tokyo/

文化が無視されるのはゲストハウスも同じなのかなぁ

さて話が飛びますが、ゲストハウス、今日本に1000件以上あるらしいです。
私もゲストハウスやってるクセによく知りませんが、ゲストハウスの最初って多分海外を回ったバックパッカーが、日本でもそういうホステルがあったら良いのに、って感じで始めたのが最初だったんじゃないかと思います。それ以前からカニ族とかアンノン族なんていう「一人旅文化」は日本にもあったし、ユースホステルも古くから日本で根付いていた。

そういう背景、文化に少しも思いを寄せる事無く、「地域おこし」だの「交流する場づくり」だのをお題目にゲストハウス作っちゃったり、営利目的の企業や投資家がブームだからと金儲けでデカい箱作って周りのゲストハウスを圧迫したりっていう、文化を無視してる方がメインストリームになりつつある風潮、何だか「HIPHOP」と似てるなぁ、って思ったり。

私もバックパッカーでは無いし、ライダーハウスのような宿をイメージしたので、本来ならウチは「ライダーホステル」と名乗らなきゃいけないのかも知れません。バックパッカーも対象としたので便宜的と言ったら言葉は悪いですが「ゲストハウス」を名乗ってはいますが。

それでも私はライダーなので、一応バイク乗りの文化は一通り知ってるつもりですし、ゲストハウスをやるにあたって、「ゲストハウス」がどういう物なのか結構調べましたよ。一応「ゲストハウス」を名乗れる宿にはなってるつもりです。

といってもそんな事気にする方が少ないのかな、この一連の騒動なんか見てると。
でも傍観者とかファン、消費者の側ならそんな事気にしなくても良いかもしれないけど、そういった物事を提供する側は、その文化や背景に敬意を払う必要って、あるんじゃないんですかねぇ。
原理主義になっちゃいけませんけど、間違った物やダサい物で文化を上書きされたくないですからね。

HIPHOPもゲストハウスもこの先、どうなりますことやら(笑)。