増える排他的な宿、そうなる原因はやっぱりアレだった(笑)

ツイッターは今日も平和ですw

ツイッターで愚痴るな?俺の事?ならブログで5000文字愚痴る!

前回に引き続きツイッターネタなんですが、本日も魑魅魍魎の跋扈するツイッター上をスクロールする指にまかせるまま彷徨っていると、「実名で客の愚痴を書くな 予約に繋がる事なんてない」というツイートが回ってきました。

該当ツイートには主語がないので、ホテルスタッフに言ってるのかゲストハウス宿主に言ってるのか不明ですが、よく愚痴ってるホテルスタッフで実名、宿名冠したアカウントなんて見た事無いですから、まあゲストハウスオーナーの事を言っているんでしょう。

そのツイート主はゲストハウスオーナーではなく前回の記事に当てはまるような横文字な方なんですが、ってのはまあ今回は置いておいて、色々な愚痴や文句を全否定されたら私はこの世から消えてしまいます(笑)。

私、ゲストハウス運営してた時なんて、こんなツイッター以上にクソミソ垂れ流してるブログを宿の公式ブログとしてサイトからリンク貼ってたんですけどね…(笑)流石に今はリンクしてませんが。愚痴ツイート程度で怒られちゃ立つ瀬ねぇよ…(笑)

まあそもそもツイッターで本気で集客しようなんて思ってる宿主さんっていないと思うんですよね。宿名を冠してても、結局は宿主同士の交流や情報収集に使ってる人が大半な気がします。
そもそもインスタで集客しようとかって話は聞きますけど、ツイッターで集客しようって話は聞いた事無いし。ツイッター見て予約しました!なんて人がいたらむしろこっちが興味持つっての!w

宿のマッチングアピールも愚痴だよね

それに関連したツイートに付いたリプで、宿がマッチングに拘りゲストを選別している事をことさらアピールする宿があり、それも嫌だ、という物がありました。
確かにそういう宿ありますね。そういう所は得てして自分の所に合わないようなゲストを毛嫌いする雰囲気がありありと出ていて、まあ一種の愚痴と言っていいでしょうね、盛んにこだわりをアピールしミスマッチ回避を公言していたりします。

YAWP!Backpackersさんのブログでも書かれているこの事ですね。

コンセプト? 共感? マッチング?・・そんなもんは、どうでもいいんだよ!!
カオォォォォォーーーーッス!! カオス! カオス!! カオスッ!! やはり11月は鬼門だ!! 毎年々々、なんで11月って、強烈にブッ飛んだゲストが多いのでしょうか・・・。僕は過去の4年半で、五度くらいしかキックアウトの経験はないんですけどねぇ。先月は、二度も。しかも、な...

まあ露骨なゲストの選別は旅館業法違反になるんじゃね?という懸念はさておき、まあゲストを選別したくなる気持ちは共感はしませんが分からんでもないんですよね。

ゲストハウスなんていう個人で小さく好きにやるような商売だと、儲けとか以前に自分がやりたいように、理想を描いて宿を作るでしょうから、理想とするゲストもおのずとイメージされちゃいますからね。
その分イメージと違うゲストが来て、まかり間違ってトラブルになったりなんかしたら、自分のドリームランドをぶち壊されたに等しく、怒りも増し増しですよねぇ(笑)

まあ普通はいくら素晴らしいドリームランドを描いても、イメージ通りのゲストばっかり来るわきゃないと理解できるもんでしょうが…

歪んだイメージの日本の「ゲストハウス」

マッチングにウルサイ宿が出てくるのはなぜ?

ゲストと宿のマッチングにうるさい宿、確かにあります。まあ私も個人的に旅行で泊りにいくなら、なんだか色々うるさい面倒な宿は選びませんね(笑)。しかしウルサイ宿ってのは存在するのです。

なんでマッチングにうるさくなっちゃうのかというのはいくつか原因が考えられて、結局私の頭でたどり着くのは当然のように「ゲストハウス=旅人宿じゃなくしてしまった連中」のせいなんですが(笑)。バイアスは当然フルテンでかかってます(笑)

まあ一般的にはゲストハウス=旅宿ですから、バックパッカーやライダー、チャリダー、18きっぱーといった旅人を客層として想定し、夜な夜な旅人同士のユルい交流がなされる運営スタイルがイメージされますし、ゲストハウスを開業しよう!という人は当然自分の宿もそうなる事をイメージするでしょうが、かならずしもそんな夜ばかりにはならないワケです。

うるさいマッチング宿を生む「コスパ厨」とOTAと大箱ホステルの値下げ合戦

何と言ってもゲストハウスは値段が安いですから、いわゆる「コスパ厨」「コスパバカ」といわれるさもしい連中のターゲットに当然なりやすく、一定数トラブルが発生するのは避けて通れないわけです。「旅人」のためにサービスを省いて下げた価格なのに、それが結果としてコスパバカも呼び寄せてしまう。ゲストハウスのジレンマですね。

そして今は宿を開業したらOTA、楽天トラベルやじゃらん、Booking.comと言った旅行サイトですね、それに登録するのが当たり前なのですが、まあその手の旅行サイトって、とにかく安値安値の応酬で、お前らの顧客のメインターゲットはコスパバカなの?そんなに世の中デフレにしてぇの?って感じなんですよねぇ。

OTA無しじゃ集客には苦戦するので、どこの宿もいくつかの旅行サイトに登録するんですが、そんな風にキャンペーンだの最安値だの謳い、値段で一発ソートできてしまうOTAですから、コスパバカを呼び寄せてるようなもんです。
当然の帰結として、旅人を想定したゲストハウスと、ゲストハウスがなぜ安いか考えず値段しか見てこないコスパ厨とのバトルが勃発!(笑)
交わらない平行線の戦いが続くのは火を見るより明らかですね(笑)

さらに追い打ちをかけるように、ボコボコと雨後の筍のように現れる企業経営の大箱ホステルの乱立そして値下げ合戦。ついにはOYOなんていうクッソ評判の悪いホテルフランチャイズまで出現し、日本中の宿泊施設を価格崩壊に追い込みかねない状況で、今現在の日本の宿泊業界は地獄でしかありません。節操の無いこいつらのせいで日本のホステル、ゲストハウス業界はズタズタになりました。
後述するキラキラセミナー連中とともに、無味乾燥大箱ホステルは日本のゲストハウス、旅文化を著しく衰亡させた悪の二大巨頭と思ってます!
現在OYOがそれを猛烈に追い上げてますが(笑)

OTAはメリットも十分にあるので、悪とまでは言いません。あくまでデメリット、といった所です(笑)。

裏を返せば、金を払いたくないコスパバカ、コスパ厨にとっては天国のような世の中なんですね。まあ連中は結局回り回ってそれが自分の首を絞めるとも気づかずに…

地域・交流をメインに謳うゲストハウス関係者の罪

まあでも、ゲストハウスが「バックパッカーのための旅宿」というのが世間に浸透していれば、こういうコスパバカも来ないと思うんです。
スナックに晩飯を食いに行く人はいません(あ、夕飯にオネーチャンにお酌してもらいながらママさんの作った焼きそば食べに行くか、って人はいるかもしれませんが(笑))。
これはスナックが「男性が夜に女性店員とお酒を楽しむ店」として世間に浸透しているからですね。
「何でラーメンが無いんだ!なんでこんなに酒が高いんだ!」なんてトンチンカンな事を言ってキレたら逆に追い出され出禁になるだけです。

一方ゲストハウスはどうでしょう?極々狭い世界の旅人達には「旅宿」として認識されていますが、世間一般ではまだまだ理解されているとは思いません。

まあ極論を言えば、ニッチなままニッチな所へ向けてやる商売なんで、世間に認識なんてされなくても良いんです。旅人だけが知ってて、旅人だけが利用してくれれば良かった。

ところが…

ここ数年のゲストハウスブーム、これの実態は結局、地域おこしだ起業だ言う意識高いキラキラ系のツールとしてのゲストハウスブーム、だったように思いますが、これがメインストリームであるかのように吹聴した連中のせいで、すっかり日本のゲストハウスはガラパゴってしまいました。

まあ確かにゲストハウスファンは沢山いますが、全体のパイで見たら全然少ないです。そんな「ゲストハウスに泊まりたい」って人が少ないのにも関わらず、地域おこしだ場づくりだ繋がりだ交流だのお題目を掲げ、まあ次から次へと開業ラッシュ。「旅宿」というゲストハウスの本来の役割はこのブログでも散々書いたようにどっかへ行ってしまいました。

元凶となったのは、数年前にさかんに「地域」「交流」を煽った開業セミナーやネット媒体なのは間違いありません。前述のクソ大箱ホステルと並び、こちらもゲストハウス文化崩壊の原因となったもうひとつの悪の二大巨頭です。

日本は何でもガラパゴス化しますが、ゲストハウスまで見事にガラパゴりやがりました。

確かに地域に密着し旅人へ地元の色々を紹介するのは旅宿の役割であり、ビール片手に旅人同士が一期一会の交流を温める場となるのも旅宿の役割です。でもそこにばっかりスポットを当てまくってそれがメインの目的くらいに殊更強調して、そんなのに限って声がデカいので、「ゲストハウス」と聞いて世間がイメージする物へ歪んだ認知を与えてしまった気がします。

そこへ吸い寄せられるかのようにキラキラした起業だの地域だの何とかホッパーだのという連中が群がり、「旅」とは違う所で「ゲストハウス()」というジャンルが新しく誕生してしまいました。こちらも侮れない勢力ですからね(笑)。

旅館業法無視でマッチング命!な宿の心理とは

荒れた市場で好きな事をやろうとしても…

すっかり歪んだキラキラ認知になった所に折からの価格崩壊、スマホ普及によるOTA利用の増加、宿乱立とコモディティ化、客層が荒れる原因しかありませんね。この状況じゃニッチな旅宿だけをやりたくても、とてもじゃないけどやれませんね。

こんな状況ですからどこのゲストハウスも、旅人とコスパ厨と地域交流キラキラ系や意識高い系とOTAから流入した普通の旅行者とがごった煮になります。
まあそれもアリよそれも旅宿よ、と割り切って営業している所がほとんどだと思います。
コスパ厨やキラキラ意識高い系はさておき、旅人と普通の旅行者ってのもボーダーラインはなくゆるやかなグラデーションって感じですし、「タオル無いの?」「イビキがウルサイ」なんて苦情は多少はあれども、それもあるあるネタとして昇華し普通は気にも留めないでしょう。

まあそれで普通に営業している分には問題無いわけで、そんな宿が大半だと思いますが、中にはやっぱり自分の理想をとことんまで突き詰めたくなっちゃう宿もあるワケです。

ターゲットがピンポイントに明確で、コンセプトが良くも悪くも明確で、理想に燃えている宿主だと、前述のようなコスパ厨なんて論外、下手すりゃ旅人だってミスマッチ、みたいになる可能性もあります。
しかしふたを開ければ現実は、押し寄せるコスパ厨とゲストハウスをよく分かってない一般旅行者の群れ群れ(笑)。そして慣れた旅人からは、「これってゲストハウスなの??」…
理想に燃えた宿主は「こんなはずじゃなかった…」と落胆するかもしれません。

それをポジティブに捉え、「お客さんの望んでいる宿形態はこうなんだ、ならそっちへ路線変更するか」となって自分の理想とすり合わせ、折り合いをつけるのが儲けの面からも自分自信へのストレス軽減からも良策なんでしょうけど、やはり他人とは折り合いを付けたくない、自分を貫きたい方って一定数いらっしゃいます。

そうなるとどうなるか。

やたらとルールが増え、ゲストとのマッチングを特段気にするようになりますね。

ゲストハウスの客層が旅慣れた旅人だけだったなら、彼らが長々書かれたルールを見たら、「ああ、ここは私には合いそうにないわ、パス。」となってくれるでしょう。面倒くさいし。
しかしコスパ厨やOTAからのゲストは注意書きなんざ見ちゃくれません。個人情報をフォームに入力したらタップ一発で予約完了!ですからね。さらにガラパゴスゲストハウスのメイン客層であるキラキラ意識高い系がやはりルール無用で乗り込みます!

「面倒な客連合軍 VS 自分を貫きたい宿」のデスマッチ!

そんなバトルが繰り返されるうち、心身共に疲れ切ったマッチング貫き宿のオーナーはより意固地になり、その宿のルールはどんどん増え、どんどん排他的に。最後には核シェルターのような、超絶閉鎖的な宿になってしまうかもしれません!

荒れた客層の地盤で「ゲストハウス+個性的な事」をやるのは大変でしょう。否定はしませんけど、私なんかは面倒くさいし大変だよなぁ、と思います。

前述のスナックの話に戻りますが、世間にはスナックという飲食業の形態が広く認知されていますから、「スナック+○○」という個性化、差別化は上手くいく可能性があります。例えば熟女スナックとか、オカマスナックとか、他にもなにかコンセプトのあるスナックって沢山ありますよね。ベース、基礎が文化としてしっかりあるからこそ上乗せで個性を出しても客層は荒れないどころかターゲッティング通りのお客が来てくれるでしょう。

しかしゲストハウスはここまで述べた通り、そのベース、基礎が日本においてはグチャグチャにされてしまいました。砂の上に城は建ちません。みんな割り切って砂の上に束石を置いた基礎程度の簡易なバラックで旅人をもてなしていますし、ゲストハウスってのは本来そのような物です。それでも理想通りの城を建てようとなれば、苦労は目に見えています。ある程度の割り切りは必要でしょう。
来るならどうぞ、ただしゲストハウスだからね?わかるよね?ってスタンスで良いと思います。嫌な客がきたのも後で笑い話にすれば良いだけ、そしてツイッターで愚痴れば良いだけ(笑)。
最初からガチガチにフィルタリングするのは、本来のゲストハウスの有り方としてもどうかなぁ、とも思いますね。まあ否定するワケではありません。私はこう思うという事です。

て言うかそもそも論的な大前提なんだけど、自分のコンセプトに合わないからって客断ったら旅館業法違反ですよね??
あ、あと多分ですけど、そういった宿でミスマッチと判断された方々も、他のゲストハウスなら普通に滞在できる可能性高いと思います。多分ゲストハウス経営経験者の私でもそういった宿ではミスマッチと判断されると思いますしw

まあそんなワケで、マッチング命の宿は現状のゲストハウスを取り巻く環境の被害者かもしれないって話と、結局悪いのは全部キラキラセミナー連中だという話と、愚痴を言うなら炎上しやすいツイッターよりブログで思いっきり5000文字超えて!という事ですかね。いやずれてるけどまあいいや(笑)

今日も長々すいませんでした!(笑)

そして俺はツイッターでは愚痴らない!だって140文字じゃ愚痴り足りない!!(笑)

『増える排他的な宿、そうなる原因はやっぱりアレだった(笑)』へのコメント

  1. 名前:マサ 投稿日:2019/12/04(水) 18:36:56 ID:0cdf34bb0 返信

    もう今から20年近く前には、注意の貼り紙だらけでした。

    そう考えるとこの先もミスマッチ?(笑)は無くならない→逆にそれが普通なんですが(笑)。

    皆さんは、この素晴らしいブログ読んでいただいて気づいてくださいね。世界は変わらないんですよー(笑)。

    もう40年近く旅宿界を見ているものより。

    • 名前:TateyamaWheelsGuesthouseヤシロ 投稿日:2019/12/04(水) 21:15:35 ID:bb1fa2d61 返信

      ありがとうございます!
      貼り紙の歴史は深い(笑)
      結局誰も読まないんですよね。最低限同宿者に迷惑かけなければ好きにやって下さい、しかないですよね。
      宿主の考えと反りが合わないってのは、もう仕方ない、当たり前の事だと思いますし。