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乗り物と無線とSNSとゲストハウス

夏の終わりと消えた無線の声

こちら南房総・館山もすっかり秋めいてきました。こっちの住民の感覚だと、「やわたんまち」という地域最大級のお祭りが終わると秋なのです。同時にあっちこっちの田んぼでコンバインがぶんぶん走り回り、稲刈りも最盛期、正に秋なのです。

さて、ウチのゲストハウスの送迎車、日産セレナにはCB無線機が付いています。もともとは違法無線機ですが、内部を改造し、違法な電波が出せないようにしてアマチュア無線として合法的に届けを出し設置しているものです。

当宿の送迎車の無線機

元々が違法無線機なので、違法無線が聞ける(聞くだけなら違法ではありません。電波を出すと違法です)のですが、この違法無線の電波というのも夏が来ると浮かれるようで(笑)、夏の訪れとともにここ千葉県には北海道や九州、はたまた日本から韓国に魚を運びに行っているトラックの無線まで聞こえてきます。
面白い事に夏の間は24時間わーわーわーわー全国の運転手さんの声が響き渡るのですが、9月に入り秋めくと同時にパタッと聞こえなくなるのです。

きっと全国津々浦々のトラック運転手の皆さんも、無線の声で夏の訪れを感じ、そして夏の終わりとともに静かになった無線機に秋の訪れを感じるのではないでしょうか。

無線とSNSは似てる?

まだ携帯電話が普及する以前は、自動車電話という物がありました。これは大変な高級品で、通話料もバカ高かったそうです。そこで重宝されたのが、こういった違法CB無線やパーソナル無線、アマチュア無線といったものでした。

まだ20年位前はアンテナを付けた車をたまに見かけました。今でもトラックやダンプには付いている車両が多いですが、乗用車ともなると皆無(たまにアマチュア無線のアンテナの付いた車を見ますが、ご年配の方が多いですね。お好きなんでしょう)。

この無線も携帯電話の普及とともに衰退しました。当たり前ですよね。高いお金をかけて車に無線機を取り付けなくても、携帯一台で連絡はとれてしまうのですから。

当時はツーリングのバイクにも無線を付けている人が結構いました。ナンバーにステーを共締めし、リアにぴょこんと立ったアンテナをたまに見た記憶があります。これもバイク用のインカムの普及でもはや必要なくなりましたね。

この無線機、仲間同士で連絡を取り合うのが主な使い方だったのですが、前述のように条件によっては日本全国に電波が飛んでいきます。そうでなくても電波は飛んでいく行先を決められないので、その電波の届く範囲にいる人なら誰でもその交信内容を聞く事ができたのです。つまり知らない人に向けても話しかける事が出来るのです。

中でもアマチュア無線というのはまさにそういった使い方をする物で、呼び出し周波数で誰かを呼んで知らない人と話す、というのが普通です。
どれだけ遠くの知らない人、レアな地域の人と話せるかが勝負みたいな所があったりしたのです。そんな人達のやりとりを「タヌキワッチ」と言って、声を出さずただ聞いて楽しむだけの人も沢山いました。

これ、何かに似てませんか?そう今ドキのSNSと全く同じなのです。無線ではコールサインという物があります。アマチュア無線では免許を申請すると与えられ、違法無線では各々が好きなコールを考え名乗る。SNSに例えるなら、

コールサイン=アカウント

という事ですね。
(ちなみに宿主のコールサインは「JI1PZD」です。)

当宿の受付です。ワンマン灯とコールサインのプレートで気分はトラックの運転席(笑)
写っているのは運転中ならぬ金勘定中の私です。

また、無線の電波の上でしかお話をした事が無い人同士が実際に会うことをグランド」とか「アイボールQSO」などと言います。これはつまり今で言う「オフ会」ですね。

昔と違い、今ツイッターランドは大荒れですが、無線の世界もやはり妨害行為や周波数の独占、一方的なマナーの押しつけ、反社会勢力の絡む問題などがあり、正に最近のツイッターの様だったようです。悪いところまで似なくてもねぇ(笑)。

当時はSNSと似た使い方もしていた、と言う事は、やはり携帯電話、スマートフォンの普及で消滅するのは当然の流れですね。

私は前述の通り無線の免許を持っているので、ゲストハウスを開業する前は「きっと無線を付けたライダーも来るに違いない」と思っていたんですが、今まで来られたライダー、チャリダーの方達で、無線を積んできた方は一人もおりませんでした(笑)。完全に過去の物なのですね。

当宿にも日本一周や長距離ツーリングの方がいらっしゃるのですが、皆さまSNSを活用され、twitter上には様々なクラスタでコミュニティが出来ていて、無線の周波数みたいだな、なんて勝手に思っています。

twitterなら仲間がどこで何をしているか、何をしていたかがすぐにわかり、どこにいても一人じゃない感があって、無線の比じゃない便利さですが、昭和生まれの宿主は、車の免許を取る方が携帯を買うより先だった最後くらいの世代なので、どこでも連絡を取れる事の凄さ、誰もが世界中に発信できる凄さをただただ凄いと思ってます。

ただ、あのかすれかすれ、途切れ途切れに聞こえてくる遠くからの無線の声に、何とも言えない郷愁を感じます。
深夜、たった一人でハンドルを握り暗闇を走る。聞こえてくるのはラジオの声と無線の声。運転中はSNSなんて出来ませんから、どうしてもコミュニケーションは「声」です(運転中の無線使用は携帯と違って違法ではありません)。
「こっちはプラス完了○○向け」「マイナス完了このままカンバックですよー」なんて雑音の中にかすかに聞こえてくる。こんな時間にまだハンドルを握ってる人達がいる。一人じゃないんだ。

無線とはなんて哀愁を誘うシステムなんでしょう!

未だトラック業界で無線が根強い理由はこんな所にもあるんじゃないのかな、と勝手に思っています。

一人国道を孤独に走るってのはソロツーの長距離ライダーも一緒ですよね。今も無線が全盛だったら、きっと面白いのに・・・と思っていたら何だかバイク用のインカムの中には、知らない人と繋がれる機能が付いた物もあるようですね。スマホと連動してツーリングしてない人とも話が出来たり、音楽やラジオ聞けたりなんだか凄い事になってます。これで無線の免許要らないんだもんなぁ。

あれ?それだったら無線要らないじゃん(笑)。車にも付けたいな、それ。

アマチュア無線のコールサイン持ってる宿主までこの有様じゃ、結局無線は消える運命ですね(笑)

無線は実は消えてなかった

さて、結局携帯とSNSに無線は駆逐されたとか、インカムが便利だから欲しいな、なんて書いてますが、携帯電話もスマホもインカムも、全部れっきとした「無線機」です!

全部無線の電波を送受信して作動しています。携帯電話は陸上移動局という法律上も立派な無線機です!
気づかないうちに、みんな無線を持っていたのですね(笑)。

???「これね。もう無線が日常に入り込んでる、って事なんだよね。ついにここまで来たよね。パンドラの箱開いちゃってるよね。」

なんて言われそうなほど、無線の究極に進化した形態が「スマートフォン」というわけですね!

ただ、やっぱり昭和生まれの宿主には、デジタルは便利だけどアナログの哀愁ただよう雰囲気も捨てがたいんですよねぇ。

ゲストハウスでコールサイン割とかやろうかな

今携帯電話のプランで「ナントカ割」ってよく聞きますよね。
携帯だって無線局、ウチのゲストハウスも無線局。ならウチだって無線割、やっても良いですよね(笑)。

今後チェックイン時に無線の免許(アマ・パーソナル・違法合法CBフリラの名刺でも可)や無線機(アマ・違法合法CBフリラ等)を提示してくれたら、100円引き&当宿ステッカー進呈、なんてどうでしょう?
もはやそんな人誰も居ないか。

あ、携帯電話やスマホはここでは無線とは言いませんからね!スマホを提示されて「無線機です!」とか言っても通常料金です(笑)。